デリケートな服やシーズンの服をメンテナンスするために日常的に利用するクリーニング。
しかし服を綺麗にしてくれるどころか、かえって汚れた状態で返ってきたことはありませんか?
お金をかけたのに大切な服が台無しになったらショックですよね。
ましてや、預けた有名ブランドの服に万が一のことがあったら、弁償してもらえるか不安になってしまう…。
私もお気に入りのブラウスに他の服の色がついた状態で返ってきて、衝撃を受けたことがあります…
私のような残念な体験をしないために、今回はクリーニング利用で服にシミや汚れがついてしまったときの対処法をご紹介します。
クリーニングで服が汚れる原因は?
クリーニング利用で服に汚れがついてしまう原因はいくつかあります。
◎クリーニング店が原因のケース
クリーニング店はみなさんから服を預かったら、工場で洗濯作業を行います。
このとき、白物と色柄物を分けて洗濯していますが、稀にこの仕分け作業が適切でなかったときに色移りなどのトラブルが発生してしまいます。
また、洗濯表示の確認ミスがあり、適切な方法でない洗濯をされたために変色することもあるそうです。
◎アパレルメーカーの不具合が原因のケース
普段の洗濯で、1,2回くらいしか着ていないデニムの色が落ちて、着る気が失せてしまった。。。
これはきっと私だけじゃないはず……!
実は、服の製造過程で不備があると、洗濯表示に基づいた適切な洗濯をしても色が出てしまうことがあるらしいです。
この場合、クリーニング店のプロが見ても見抜くことは難しいです。
◎自分の着用状態、管理方法が原因のケース
ポケットにペンを入れっぱなしにしていた….
クリーニングに出す時に、ポケットに物を入れっぱなしの状態で出してしまうこともしばしば。
レシートや手袋なんかよく入れっぱなしにしてました(;’∀’)
店舗でもポケットの中身はチェックしますが、人の目で行う作業なので見落としてしまう時もあります。
そんな中、ペンがポケットに入れっぱなしだとどうなるでしょう。
乾燥の行程でペンが破裂し、服にインクが付着してしまいます。
元からシミがついてたかも?
クリーニングする前にはなかったシミがついて返ってくると、「なにこれ?絶対クリーニング屋さんのせいだ!!」と思いますよね。
ですが、そのシミは目に見えなかったシミや空気中の酸素が原因のときがあります。
ほとんどのクリーニング店で採用されているドライクリーニングは水溶性の汚れ、シミと相性が悪く、完全に落とすことは難しいとされています。
スポーツドリンクなど無色透明の飲料が付着していた場合、当然見えないので消費者から何も言われない限りクリーニング店もこの汚れに気づけません。
そのためシミ抜きや適正な洗濯がされず、時間経過で浮き出てしまうのです。
異変を感じたら依頼したクリーニング店へすぐに相談!
実際に服が返ってきたときに汚れていたら焦りますよね。
こんな時は自力で無理に汚れを落とそうとせず、依頼した店舗に持ち込んで問い合わせましょう。
どこにどのような汚れがついたのかをきちんとスタッフに伝える必要があるので、服が返ってきた状態のまま持ち込むことが大切です。
クリーニング店で状態を確認し、原因が明確になれば「クリーニング事故賠償基準」や店舗の「クリーニング保険」を利用して解決してくれます。
また、製造過程の不備が考えられる場合、クリーニング店が製造メーカーに問い合わせ、交渉してくれますよ!
泣き寝入りしたくない!店舗で対応してもらえない時は?
クリーニング店に問い合わせたとしても、補償対象外として対応してくれない時もあります。
なぜでしょう?
考えられる理由はいくつかあります。
着古した服は補償額が減額されてしまう!
クリーニング店でトラブルの原因の確認ができたら、「クリーニング事故賠償基準」によって補償してくれます。
賠償額は原則購入金額からの経過期間で計算されていきます。
ここでの注意点は、依頼した時のその服に対する価値以上までは補償できないということです。
あくまでも補償してくれるのは”その服に対する現状回復”までなので、一度でも着用した事実があれば新品の価値ではなくなります。
フリマアプリでも中古品の出品が多くありますが、価値の考え方は似ていますね。
購入してから何年も経っていたり、着古していた服は補償金額が少なくなっていくので要注意です。
海外製品では製造メーカーと連絡がとれない?!
最近はSHEINやTEMUなど、海外通販で安価に服を購入できるようになってきました。
しかし、海外の製品は適正な検査を経ていない状態で販売されていた可能性があり、色落ちによるトラブルが多発しています。
クリーニング店は製造業者に問い合わせようとしますが、連絡先が無くて対応してもらえないこともあるそう……
私たち側としては「クリーニングした店舗に責任がある!」と感じますが、クリーニング店もまた「製造過程に問題があったものは補償の対象外なので店舗では対応しきれない」と主張するかもしれません。
このような状況下ではクリーニング店も一人の被害者なので、お互いの状況をしっかり把握し落ち着いて交渉をする必要があります。
依頼時に店員に伝えていれば… 酸化したシミが服を痛めていた
スポーツドリンクのように無色透明で見えなかったシミが見えてきた時、すぐにクリーニング店に出せば、店舗の技術にもよりますが通常ならシミ抜きで綺麗に戻ります。
ただ、これを処理せず放置していると温度や湿度などの条件で繊維を痛めてしまい、完全な復元が難しくなります。
この場合、消費者側の管理方法が悪く、原因の大元はクリーニング店ではないので補償対象外になることがあります。
ポケットに入れないで!やっかいなインク問題
ポケットに入れっぱなしにしていたペンなどのインク付着は、基本的に確認不足として消費者側の過失になってしまいます。
そのため弁償も返金もしてくれないことが多いです。それどころか、ペンのインクのシミ抜きをしてもらうとなると追加料金がかかることも!!
クリーニングに出す前のポケットチェックは入念にやりましょう…
クリーニングに出した後でも、ポケットに物を入れていたことを思い出したらすぐに連絡すれば、未然に防げるかもしれません。
どうしても解決できない場合は、消費者センターに相談することができます。
消費者センターは全国各地にあるので、最寄りのセンターで相談してみましょう。
大切な服を綺麗に維持するための対策
クリーニング店に依頼するときに、以下のことに気をつければ思いもよらぬトラブルを未然に防げます。
タグに書かれている洗濯表示を確認しよう
依頼前に自分で洗濯表示を確認したり、どんな材質で作られているかを確認しましょう。
デニムなど色落ちがしやすい服や、綿100%の服は色移りの可能性があるので、店員さんに「色落ちや色移りに注意してください」と一言伝えるだけでしっかりと対応してくれます。
依頼するタイミングで服の情報を定員さんに伝えよう
自分の着ていた服は今どんな状態なのか、見えない汚れがついているか、依頼時に店員さんにできるだけ情報を伝えることで適切な対応をしてくれます。
店員さんも服のプロですが、依頼された服を一番知っているのはあなたです。
積極的に話していきましょう。
ポケットの中身は絶対に確認しよう
ポケットに入れていた物は基本的に消費者側の責任です。
今回紹介したインク問題だけでなく、アクセサリーの入れっぱなしによる紛失も補償外になりますので、絶対に依頼前に確認しましょう。
適切な対応をしてくれる店舗を選ぼう
クリーニング店の中には、「Sマーク」や「LDマーク」がある店舗があります。
このマークは預かった品物に損傷を与えた場合にクリーニング事故賠償基準をもとに対処してくれます。
このマークがない店舗でもトラブル解決にこの基準を使ってくれますが、マークがついている店舗だとより安心して依頼できますね。
再仕上げをお願いしてみよう
クリーニング店によっては、仕上がりに満足がいかない時にもう一度クリーニングしてくれる再仕上げが可能な場合があります。
返却日から10~14日以内に依頼すれば無料で行ってくれることがほとんどです。
ただ、詳細は店舗によって異なるので、クリーニング店に事前に問い合わせる必要があります。
まとめ
今回の記事では、クリーニングした服が汚れて返ってきたときに何をするべきかを紹介しました。
- 汚れてしまった原因は何なのか
- 汚れを見つけたらすぐにクリーニングに相談
- それでも解決しなかったら消費者センターへ相談
- トラブルを防ぐための対策方法
クリーニング店が直してくれるのか、弁償してくれるのかとても不安になりますよね。
こういったトラブルは、大抵のものは未然に防ぐことができます。
自分の服の状態をよく確認して、クリーニング店とコミュニケーションをとることで、よりよいサービスを受けることができますので、伝えるべきことはしっかり伝えるようにしましょうね♪